「今はフリーランスの時代」「生涯雇用の時代は終わった」などと言われる今のご時世、公務員としてこのまま働いて良いのかと悩む方は少なくありません。
とはいえ、仕事にやりがいがない、給料が少ないと思いつつも「公務員だからこそ得られる安心感」を手放すのも怖いですよね。
今回は、公務員を22歳のときに退職して失敗した筆者の経験談を交え、20代の公務員の転職事情やメリット・デメリットなどについて解説します。あなたの悩みを一緒に見つめて行きましょう。
20代が公務員を退職したいと思うワケ
20代の方が公務員の退職を悩む理由には、以下のようにさまざまな原因があります。
- 仕事にやりがいがない
- 給料が少ない
- 残業が多い
- 古い考えが根付いた組織が嫌だ
- 風当たりが強くて辛い
- なんとなくで公務員になった
- 自分のスキルで稼ぎたい
ご自身の状況と当てはまる部分があると思うので、一緒に見ていきましょう。
仕事にやりがいがない
仕事にやりがいを見出せない点は、20代が最も公務員を退職したいと思う理由です。
20代は以下のような業務を振られることが多いでしょう。
- 窓口対応・電話対応
- 簡単な資料の作成
- データ処理
就職してあまり時間が経っていない間は、簡単な業務を振られることが多くやりがいを感じろと言われても無理があります。また、風当たりが強い職種での窓口対応・電話対応は、非常にストレスです。
給料が少ない
給料が少なく、窮屈な生活を送らざるを得ない点も、20代で公務員を退職しようと思う理由です。
20代のうちは一般企業で働く友人たちよりも給料が低く、有意義な生活を送ることが難しいですよね。また、昇給しても微々たる金額しかアップせず、嬉しさもこみ上げてきません。
また、公務員は「国家公務員法第103条」「地方公務員法第38条」などの法律で副業が禁止されている背景も、薄給の辛さに拍車をかけています。
残業が多い
業種や部署によっては残業が多いのが公務員の特徴です。
公務員は労働基準法の適用対象外という背景があるため、過酷な残業が当たり前になっているところが存在します。
残業が多いとしてすぐに思いつくのが「教師」です。残業手当がないにもかかわらず、深夜遅くまでのタスクや休日の部活動に追われるのは、過酷そのものといえます。
古い考えが根付いた組織が嫌だ
公務員の昔ながらの風習や考え方が未だに根付いているのは、今の20代にとっては苦痛です。
基本的に公務員は年功序列であるため、仕事ができるできないにかかわらず自分より年上の職員の方が偉い性質があります。上司にペコペコしている職員を見て、一種の気持ち悪さを覚える20代も少なくないでしょう。
また、昔ながらの古い業務体制を続けている職種もあり、あまりに効率的な働き方ではない姿を見ることもしばしばあります。
風当たりが強くて辛い
風当たりが強くて働きにくいという点も、20代の公務員が退職を考えるきっかけです。
公務員の給料は日本に住む方の税金をもとに支払われるため、何かとつけて冷たい視線や罵声を浴びせられる機会が少なくありません。窓口や電話対応において心無い言葉を言われると、メンタル的に苦しいものです。
国税局職員や警察など、特に冷たい目線で見られる仕事に就いている場合は、尚更世間の目が厳しいでしょう。
なんとなくで公務員になった
学生時代に大きな目標がなく、なんとなくで公務員を選んだ方は、退職を考える機会が他人よりも多いでしょう。
いざ公務員になったのはいいものの、思っていたイメージと違っていたり自分には合っていないと感じたりすると、余計に転職したいと思うようになるでしょう。
実際、私のように「自分のスキルで稼ぎたい」「手に職を付けたい」という思いから、20代で公務員を退職する方も少なくありません。
20代で公務員を退職するメリット
公務員を退職するメリットは、主に以下の3つです。
- 収入アップに繋がる
- やりがいがある仕事に就ける
- のびのびした環境で働ける
公務員を退職しようか悩んでいる20代の方は、「辞めてしまっていいのだろうか」という疑問があると思います。焦って決断するまえに、一度公務員を退職するメリット・デメリットを一緒に見ていきましょう。
収入アップに繋がる
以下のような理由から収入アップに繋がる点は、20代で公務員を退職する大きなメリットです。
- 成果主義の会社が一定数存在する
- 専門分野に挑戦することでキャリアアップに繋がる
- 副業ができるようになる
公務員は「年功序列」「副業禁止」の縛りがありますが、退職すればそのような環境から脱することが可能です。また、20代のうちに興味のある分野にチャレンジして、さまざまなキャリアを積んでいくという人生設計も、非常に有意義でしょう。
やりがいがある仕事に就ける
やりがいのある仕事に就ける点も、20代で公務員を退職するメリットです。
特に、自分の仕事の姿勢や取り組みがそのまま給与に反映される成果主義であれば、非常にやりがいがあるでしょう。また、業績によって給料やボーナスが変動するケースもありますが、「自分が頑張らねば」という思いで仕事に臨めるやりがいもあります。
何より、自分が興味を持った業種で働けるという、これ以上のないモチベーションが得られます。
のびのびした環境で働ける
窮屈な職場に嫌気がさしているという方は、のびのびした環境で働くことが叶うでしょう。
働き方改革が進んでいることから、近年ではきつい働き方を強要する会社が減少傾向にあり、のびのびした環境が整備されているケースがほとんどです。
残業が当たり前となっている公務員と比較したら、ほかの企業は想像以上に働きやすい環境といえるでしょう。
ただし、表面では働きやすい環境を整備していると謳っていても、実際に入社したら話と違っていたというケースがあります。転職で失敗しないためにも、職場選びは入念に行いましょう。
20代で公務員を退職するデメリット
20代で公務員を退職するデメリットは、以下のとおりです。
- 社会的信用を失う
- 生活が保障されない
- 再び公務員になるハードルが高い
- 給料やボーナスが下がる
自分が本当に退職して良いかを判断する際は、メリットだけでなくデメリットも踏まえて決断してください。
社会的信用を失う
社会的信用を失う点は、20代で公務員を退職する大きなデメリットです。
特に、退職をしたあと、以下のような点において社会的信用のありがたみを痛感します。
- 各種ローンの組みやすさ
- クレジットカードの審査
- パートナーとの結婚の安心材料
例えば、20代で車を購入するとなった際はほぼ自動車ローンを利用することとなるでしょう。その際に、公務員であればすんなりとローンの審査を通過し、車を購入できます。
しかし、これが私のようにフリーランスとなったり信用度があまり高くない会社に勤めたりした場合、ローンが組めない可能性が浮上します。
もし退職を決意しているのであれば、公務員のうちにローンを組んだりクレジットカードを発行したりするということをおすすめします。
生活が保障されない
生活の保障が無くなるという点も、公務員を20代で退職するデメリットです。
公務員にはリストラが無く、大きな問題を起こさない限り定年まで職を失うことはありません。また、福利厚生の手厚さも、公務員ならではです。
しかし、一般企業に勤めた場合、業績の悪化によってリストラされる可能性が0とは言い切れません。フリーランスや自営業として生活していく場合、病気や怪我で働けなくなったら収益が無くなるリスクが考えられます。
再び公務員になるハードルが高い
再び公務員になることが難しくなるデメリットには、留意しなくてはなりません。
ご存じのとおり、公務員になるには公務員試験に再び臨む必要があります。一次試験に突破できたとしても、面接が行われる二次試験では「なぜ再び公務員を目指したか」が必ず問われ、面接官を納得させられなければ合格は難しいでしょう。
給料やボーナスが下がる
給料やボーナスが下がる可能性があるのも、20代で公務員を退職するデメリットです。
公務員は毎年一定の給料とボーナスを得られる強みがあります。
しかし、特にボーナスにおいては、一般企業では貰えないor今よりも少なくなるというケースが少なくありません。一般企業は利益から給料が発生するため、当然業績が悪化すればボーナスの支給額が下がる可能性があります。
給与面を気にして公務員を退職する場合は、転職先の報酬についての入念なチェックが必要です。
20代が公務員を退職したいと思ったらやるべき5つの行動
公務員を退職したいと思ったら、以下の5つを踏まえて行動しましょう。
- 退職する理由を明確にする
- 自己分析をする
- 興味がある分野を探す
- 辞める前に転職活動を済ます
- 転職エージェントに相談する
1つでも欠けると、今後のキャリアに影響を及ぼす可能性があるためしっかり頭に入れましょう。
退職する理由を明確にする
なんとなくで退職を決断すると後悔するため、必ず目的を明確にしてから公務員を辞めてください。
辞める理由を明確にしないと、なんとなく転職してしまって気付いたら失敗していたというリスクが高まります。一方で、明確な退職理由があれば、それが自分の転職の軸となって、円滑な求職活動となるでしょう。
当記事で紹介した「20代が公務員を退職したいと思うワケ」も明確な理由なので、ぜひ参考としてください。
- 仕事にやりがいがない
- 給料が少ない
- 残業が多い
- 古い考えが根付いた組織が嫌だ
- 風当たりが強くて辛い
- なんとなくで公務員になった
- 自分のスキルで稼ぎたい
色々と悩む中で天職ともいえる「WEBライター」に出会えましたが、もっと明確にやりたいことを決めてから退職すれば、過去の精算をしながらの生活を送らずに済んだとひどく後悔しています。
自己分析をする
20代で公務員を退職する場合は、自己分析が欠かせません。
以下のように、自己分析のやり方は多数存在します。
- 転職サイトの自己分析ツールを使う
- 自分史を書いてみる
- 身近な人に自分のことを聞いてみる
- 過去のアルバイトの経験を振り返る
- 転職エージェントに相談する
公務員試験に合格すれば仕事に就けるという性質上、一般企業に勤めている周りの方々よりも自己分析の経験が少ないのではないでしょうか。
自己分析のやり方がわからない方は、「転職サイトの自己分析ツール」や「転職エージェントに相談する」方法が手っ取り早いため、おすすめです。
「ぴったり転職」を実現する名古屋の転職エージェント【R4CAREER】
興味や強みを活かせる分野を探す
自分の興味や強みをフル活用できる職種を探すことは、転職活動を成功させるポイントです。
公務員を経験していれば、接客や窓口の対応、事務作業などは強みと言えますし、専門職に就いている方はその仕事で学んだ経験を活かせます。過去にアルバイトやボランティア活動をした経験から自分の性格や強みを客観視し、そのまま面接でも活用できるでしょう。
辞める前に転職活動を済ます
公務員を退職する前にあらかじめ転職活動を済ますことは、大きなポイントです。
転職活動は、どれだけはやくても1か月前後の時間を要します。不採用が続くと数か月間無給の状態で生活しなくてはなりません。
失業保険や求職者支援制度など求職中でもお金がもらえる制度はあるものの、「仕事が見つからない」は大きなストレスとなり、転職に影響を及ぼします。
一度公務員を辞めると「転職が上手くいかないから一旦仕事を続けよう」という選択も取れないため、リスク防止のためにも在職中の転職活動をおすすめします。
転職エージェントに相談する
転職エージェントに相談し、サポートしてもらうことが転職活動の成功のポイントです。
公務員しか社会人経験がない場合、「はじめて転職活動をする」という状況となるでしょう。公務員は試験を受けて合格すればなれますが、一般企業は異なります。
入念に面接対策をしたり、場合によってはSPIの勉強をしたりするケースもあります。
20代になってからでは周囲に相談できる方もおらず、心細い転職活動になってしまいます。失敗を避けるためにも、早めに転職エージェントに相談し、基礎から応用まで手厚くサポートしてもらうことをおすすめします。
とりあえず登録して相談してみるという方法が、転職活動のターニングポイントになるかもしれませんね。
まとめ
公務員の退職に悩む方は、以下のポイントを踏まえ行動してみましょう。
20代はどんな選択肢をも取れるからこそ、悩みが付きません。
私のように、なんとなくの気持ちで公務員を退職した結果、莫大なストレスと借金を抱えてしまうというような失敗をしてほしくないので、ぜひ反面教師として新たなキャリアを成功させてくださいね。
「ぴったり転職」を実現する名古屋の転職エージェント【R4CAREER】